Interview for Yui Sakuma

Flower

「趣味程度ですけど、写真でお花を撮ることが多いです。今、お花って色々な品種があって。例えば染められているものや、特殊な形をしたものなど、そういうお花にも興味はあるのですが、やっぱり一番好きなのは野花。美しいなとハッと目に止まるのが野花や桜とかで、生活の中に自然とあるお花には心が動かされることが多いですね。だから道に咲いているお花との出会いはすごく大事にしています。家にいる時間が長い時は、お花屋さんでも買うようにしていますね。あとは、クランク・アップの時にいただくお花というのは特別で。お花を花瓶に移し替えてようやく一区切りという感じがします。その後、お花が散っていく時に、『あぁ、そっか、1つの作品が終わったんだな』と思って、自分の中でも落ち着く何かがあるというか。それはこの仕事をやっているならではの楽しみかなとも思います」

Fashion

「強くて美しいなと感じるのは、自分のことをちゃんと分かっている人。今、いろんな選択肢が多い時代ですけど、その中でも自分のことがよく分かっていると、シンプルに生きられるし、人のことも否定ではなくちゃんと受け入れられるんじゃないかなと。まだまだ私はそこには近づけていないのですが、自分の軸は持っていたいなと思いながら生活しています。ただその軸が軽やかじゃなかったらネガティヴなものになってしまうので、力強さと柔軟性というのをいつも意識するようにしていて。その両方が存在するってなかなか難しいことではありますが、そんな時に洋服に力をもらえることがありますね。着ているアイテムで気持ちってすごく変わっていくと思いますし。洋服は、着心地が良ければもちろん嬉しいですけど、ファッションを楽しむということを考えると、ときめいたものを選ぶという感覚が多いかもしれないです。その後、着心地のことやクローゼットにあるものとちゃんと合うかという現実的な問題を考えるようにしていますね。最初から利便性で選ぶというのは、パジャマではない限りないかもしれないです。最近、以前なら私には早いかなと思って手に取らなかったような洋服も、自然と『今、ほしい』と思うことが増えてきていて。年齢を重ねると『いいな』と思うもの、ときめくものが変わるって、こういうことなんだ、というのを実感しています」

Art

「アートはあまり詳しい方ではないのですが、小さい頃は祖父とよく美術館に行っていました。だから絵を見ている時間というのは、とても長かったんです。祖父がいわゆるアート・オタクで。近代のものというよりも古典的なものなんですけど、そういったものを一緒に見せてもらったりして。よく上野にある美術館に行っていたのですが、周りにいろんな屋台が出ていたので、そこで一緒におまんじゅうを食べたりもしていました（笑）。すごく良い思い出です。この仕事を始めてからは、作品の美術に素晴らしいなと感動することが日常茶飯事ですね。ロケのセットに入ると、何が置いてあるんだろうとキョロキョロするのが好きで。例えば黒板があってチョークが並べられていたとしたら、新品のものばかりが並んでいるのか、折れているものばかりが並んでいるのかでも性格が分かりますし。ドラマ『ひきこもり先生』で私が演じている（深野祥子）先生は、チョーク・ケースを持っていて、いつもキレイなチョークを使って書いているようなタイプなんです。そういう美術さんが用意してくれるセットの中には、役柄のヒントがあって助けてもらうことが多いです」