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Vol.04

“踊る” “奏でる”
飯島望未 ハラミちゃん

TVCM / 15 sec.
MV / 233 sec.

Interview for Nozomi Iijima

エネルギーにあふれた楽曲を
ワクワクするような踊りで表現

ヒューストン・バレエ団でプリンシパルとして活躍し、今年から日本で活動を始めた飯島望未さん。5月には熊川哲也さんのKバレエカンパニー『ドン・キホーテ』に出演し、観客を魅了したばかり。今回はハラミちゃんの『ファンファーレ』という楽曲に自ら振り付けをし、踊りを披露した。「初めて聴いたとき、すごくエネルギッシュでエキサイティングな曲だと感じました。オリジナリティにあふれていて、あまり聴いたことのない感じ。何かのジャンルにカテゴライズするのが難しいような自由な音楽。エネルギーにあふれていて、いてもたってもいられなくなるような気持ちを踊りで表現しようと思いました。その結果、自分で振り付けておいて言うのもなんですが、飛んで、回って、すごくしんどかったですね(笑)。でも、見てくださる方々がワクワクするような踊りにしたかったので、がんばりました」

ハラミちゃんの弾くピアノの横で、回転をしたりジャンプをしたり。その美しさと力強さに撮影スタッフは息を飲んだ。「曲の持つエネルギーをそのまま受け止めたら、こういう踊りになりました。音楽のエキサイティングな感じと、体から生まれるエネルギーがひとつになって伝わったらいいなと思っています」

Flower

よく花を買いに行くという飯島さん。「ハッピーなときよりも、気分が沈んでいるとき、寂しいときに買いに行く傾向がありますね。花言葉を調べるのが好きなのですが、元気が出るような花言葉を秘めた花を買うようにしています」。『ファンファーレ』にはどんな花が合うかを聞いてみると、「私の大好きなプロテアという花が似合いそうな気がしますね。インパクトがあって力強いイメージだから」。バレエの公演のあとにいただく花は、いつも必ず持ち帰っていろいろな花瓶に合わせて飾るのが楽しみだそう。「花は喜びを表現する存在。いただいた花で家の中が花畑みたいになると、心から幸せを感じます」

Fashion

ファッションインフルエンサーとしても人気の飯島さんだが、ファッションはあまりトレンドを意識せず、映画からインスパイアされることが多いという。お気に入りは、ウェス・アンダーソン監督の映画。レトロなムードのAラインのワンピースやスカートが特に好きなアイテムだ。

今回の撮影では、大胆な色や柄、シルエットが印象的なアイテムを着用して踊ってくれた。「抽象的な模様がおしゃれな服は、踊っているときひらひらと揺れる感じがすごく心地よかった。まるで自分も服の一部になったようでした。ブルーの服はわりとしっかりした生地で、ポーズをとったときのコクーンのシルエットがとてもきれいに見えた。これを着ていたら、歩いているだけでもおしゃれに見えますね」

Art

バレエは、常に自分の体と向き合って表現を追求する究極のアートだ。「舞台は長いと3時間くらいあり、ずっと通しで踊ることもあるので、やはり体力作りは不可欠。本番前は走り込みもするし食事の調整もします」。今回のコラボレーションでは、何度繰り返してもまったく軸がぶれない美しいターンを見ることができる。「くるくる回るのはコツがあるんです。一点を見つめて、首を残しながら回るんです。私は小学校1〜2年で習得し、楽しくて365日回る練習をしていましたね」と、バレエの話になると愛おしむような目に。

「バレエを続けてきてつらいと思ったことはないですね。あったかもしれないけれど、舞台に立つと忘れてしまうんです。でも幸せなことはたくさんあります。たとえば『初めてバレエの舞台を見て感動したので、ぜひまた見に行きたい』というような感想をいただくと、本当にうれしいです。小さなお子さんが目標にしてくださることも、私の活力になっています。日本でももっと多くの人がバレエを見るために劇場に足を運んでくれたらいいなと思います。そのためにずっと踊り続けるようがんばります」

Information of Nozomi Iijima

1991年、大阪府生まれ。6歳でバレエを始め、15歳で渡米しヒューストン・バレエ団に入団、2019年にはプリンシパルに昇進する。2021年3月より日本に拠点を移し、5月には熊川哲也率いるKバレエカンパニーの『ドン・キホーテ』に出演。8月にはガラ公演『バレエ ザ・ニュークラシック』(BALLET THE New Classic)に出演予定。

Interview for Harami Chan

ピアノと踊りの心地よいシナジー。
音楽の無限の可能性

昨年夏頃に完成した『ファンファーレ』は、意外にもハラミちゃんが初めて自分で作った楽曲だ。もともと作曲には苦手意識があったというが、“ハラミちゃん”として活動を始めてからいろいろなことを経験した今、自分の中からどんな音が生まれるのかを知りたくて作ってみたという。「すごくエネルギッシュな仕上がりで、まるでスタートラインに立っているような曲になりました。さまざまな活動を通して、もっとピアノの楽しさや魅力を伝えたいというエネルギーが自分の中にみなぎっていることを、曲を通して知ることができました。何かにチャレンジしようとしている人の応援歌みたいな存在になったらいいなと思っています」

今回の飯島望未さんとのコラボレーションでは、この『ファンファーレ』に飯島さんが振り付けをし、ハラミちゃんの弾くピアノに合わせて踊ってくれた。「私の楽曲の意図を汲み取って、こんなにもすばらしい踊りで表現してくださったことに感動しました。ピアノを弾きながらふと飯島さんを見たら目が合って、その瞬間、踊りとピアノが繋がっていることを実感。そして飯島さんがピアノの周りを踊っているときにはなんだか心地よい“風”を感じていました。自分の演奏に対して背中を押してくれるような優しい風が、素晴らしいシナジーを生んでくれたような気がしています」

Flower

お母様の実家が花屋さんで、子供の頃からいつも家には花があふれていた。「好きな花はガーベラ。線や輪郭がきれいなのでいつまでも見ていられますね。特にイエローやオレンジ色が好きです」。今もコンサートの時などに花を贈られることも多く、花に囲まれた生活しているというハラミちゃん。「最近、テレビ番組で陶芸をする機会があり、花瓶作りにチャレンジしたんです。作曲家のバッハの顔をモチーフにした花瓶(笑)。焼きあがって完成品が届いたら、早く花を生けて部屋に飾りたいです」

Fashion

キャスケットがトレードマークのハラミちゃんだが、今回の撮影ではいつもと違うイメージのスタイリングを着こなしてくれた。「テーラードジャケットや黒い服など、普段あまり着ることがないスタイルでしたが、どれも見た目はスタイリッシュなのに軽い着心地で、踊ったりピアノを弾いたりと動いて何かを表現するのにぴったりだなと思いました。撮影のときに花を持たせていただいたのですが、いつもはひまわりとかミモザとか明るい花をいただくことが多いのに、今回は真紅の花を用意してくださった。黒い服に赤い花を合わせるなんて、新しい自分に出会えたようで貴重な機会でした」。金髪にしてから着こなしの幅が広がり、毎日のコーディネートを考えるのが楽しくなったという。「今日は黒い服と金髪が合うということを発見しました」

Art

4歳から始めたピアノ。途中で一度やめたけれど気づけば再開していた。「ストリートでもライブでも、聴いてくださった方が『よかった』といって涙を流したりすると、うれしくてもらい泣きしてしまいます。人の心を動かすというのはすごく価値のあることだし、そういう活動ができていることを心から幸せに思っています」。自分のスタイルを批判されたりすると、落ち込むこともあるし、このままでいいかと不安になることもある。でも応援してくれる方々や、スタッフ、家族に支えられて続けてこられたという。「自分を励ますときはピアノを弾きますね。気持ちをぶつけると、ピアノは私の感情を受け止めて音で返してくれます。そんなとき、やっぱりピアノから離れられないなと感じます。ピアノを弾くことでリセットできるんです」

何も予定のない日は、一日中ピアノを弾いているという。リクエストの多い曲を練習したり、新しいレパートリーに挑戦したり、オリジナルを少しずつ作ってみたり。そんな中で、『ファンファーレ』に続くオリジナルの楽曲が6月に発売された。『雨』というタイトルで、さまざまな雨の音をピアノ1台で表現したしっとりと美しい旋律。「実は雨女なんです(笑)。大事な日はいつも雨だからこそ、雨の情景には思い出がたくさんあるし、雨の日は自分と向き合う大切な時間でもある。今なら雨をテーマに曲が作れるかもと思い、半年かけて作りました」

Information of Harami Chan

音大卒業後、会社員を経て2019年よりピアニストとしての活動をスタート。『前前前世』や『ロマンスの神様』『天城越え』など、ポップスをアレンジした演奏が話題を呼び、2020年カバーアルバム『ハラミ定食』でメジャーデビュー。YouTubeの登録者数は現在160万人を超える。オリジナル曲『雨』が配信中。

Making / 103 sec.

Director:鈴木利幸(UM / united lounge tokyo)
Stylist:小林新(UM)
Hair & Make-up(飯島望未):川原文洋(UM)
Hair & Make-up(ハラミちゃん):遠藤真稀子(UM)
Flower Artist:宇田陽子、岸大介(logi PLANTS & FLOWERS)
Cinematographer:奥平功(TRAVOLTA)
Lighting Director:渡辺良平(DOING)
Grip:山内智史(NKL)
Art:三ツ泉貴幸、藤岡なつき(STARBOY)
Script Supervisor:笠原ゆり
Producer:浜島遊(Peanuttart)
Production Manager:師田悠三、佐藤宏美、熊谷明彦